伝票の歴史

<伝票の歴史について>  

今回は納品書・請求書などに代表される伝票類の歴史と流れをおおまかに考えてみます。

概念によっていろいろと説明の仕方はあるとは思いますが、現代という概念で言うなら、元々このような伝票類は活版印刷の手書き伝票が初期の伝票と言うにわかりやすいと思います。

この時代は用紙の裏面に黒カーボン、青カーボンと言われるカーボン紙の複写用紙でした。
これが後にカーボンではなく、用紙全体に複写する為の薬品を塗り込んだ「ノーカーボン用紙」という複写用紙に徐々に切り変わっていくこととなります。
(但し、複写枚数が多い場合など、需要は少ないですが現在でもカーボン紙は使われています)

そして印刷方式も活版印刷からオフセット印刷へと移行していきます。
(ただしこれも文字や線だけの印刷内容のものですと、活版印刷のほうが手軽に安く伝票を印刷できる為、伝票業界では現在でも多く使用されています)。

それと並行して、大量に伝票を消費するユーザーは手書き用の伝票ではなく、ドットプリンター用の伝票(いわゆる連続伝票)へと移行が進んでいきます。

ちなみにドットプリンターは元々欧米から日本に伝わったものなので、サイズ規格は日本の「ミリ」ではなく「インチ」になっています。
従いまして連続伝票の版下データを作成する場合には、インチにのっとってデータを作成していきます。
ちなみにドットプリンター専用の版下データ作成用ソフトとしてIPRO8000などといったものがありますが、通常の印刷作成ソフトのイラストレーターで作成してもなんら問題はありません。


(ドットプリンター用伝票)

そしてバブル期が過ぎ、景気が後退してきますと、コスト削減の為と利便性から、ドットプリンター用伝票からレーザープリンター用紙というものに移行が始まります。
レーザープリンター用の帳票は「ヒサゴ」などから専用のソフトが出てますので、特に小規模の会社では導入コストも手軽なことから好んでレーザープリンター用紙が使われます。
しかしこれも顧客数などが多い場合はドットプリンターで打ち出した方が早い場合もありますので、ドットプリンターの需要がなくなったわけではありません。


(レーザープリンター用帳票)

そしてさらに、昨今はと言いますと、伝票類を主体としている印刷会社にとってはまさに恐怖なのですが、インターネットの普及によって、まさにペーパーレスへの時代へと突入しました。

請求書や納品書などといった伝票類をデータ化し、パソコンの画面上で個々のユーザーが自分でその伝票のPDFファイルなどをダウンロードするという方式が多くなってきています。
紙媒体で必要があれば個々のユーザーが自分でプリンターで出力すればいいだけです。

確かにこれは大変手軽で便利です。

それでは印刷会社の未来は?

これは確かに印刷会社にとっては死活問題とも言える大きな問題だと思います。
これを克服するに簡単な答えはありません。
個々の印刷会社が将来の方向性を良く考えていく必要があるのでしょうね。

終わりが伝票の未来にとても暗い話になってしまいましたが、我々伝票業界も知恵を振り絞ってまだまだ頑張っていきましょう!